雑感

one's impressions

人は見た目できまるのか?

人は見た目できまるのか?

ちょっと前の事。

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満員御礼状態の箱の中にいた。人の熱気で箱の中は蒸し風呂にでも入っているようだった。不快指数が頂点に到達したころあいだっただろうか、頭がボォーとし、力が抜けてゆく中で必死にふらつく姿勢を保つことだけに集中していたその時、前に立ってたヤツがよろめき様に浅く背負っていたリュックを落としやがった。そこは、以前に不慮の事故で負傷したボクの右足にHITした。その時、只ならぬ痛みが走った。

乗車率が若干減った頃合をみて痛む部分に手を当て確認してみた。その手は紅く染り、足からは流血。これにはチョット驚いた。そして、真っ先に頭に思い浮かんだのは、現状を大衆に気づかれない様、処置するだった。感じた痛みとはウラハラに結構深く刺さっていて、足をつたい、くるぶしあたりまで血の道が出来ていた。

こりゃ、ヤバイ。

急いでハンカチを取り出し、それを患部に巻こうとしたが、さすがにハンカチじゃ成人男性の太ももを縛るのはムリだった。しかし、これ以外、止血できるような布的なモノは持ち合わせていない。そこで、方針を変更して、じわじわと紅く侵食されているジーンズへの処置を優先する事にした。ウエストからスルリとハンカチを入れ傷口に蓋をした。見た目は若干不自然だが何とか誤魔化せる範囲内だろう「こういう柄なんです、あはは…。」なんて具合に。

そして、ほっと一息するとほぼ同時に敵を捜した。居ない!?どうやらコチラが止血作戦遂行中に、戦線離脱したらしい。今年度最高に腹が立ったが、怒りをぶつける先がない。その事実にボクはひどく落胆し、やり場を失ったボクの怒りの感情は宛ても無く彷徨い、やがて消えていった。

肩を落として力なく、足取りも重く災いの箱から抜け出し、家路を急ぐ。

そして…

信号待ちしていると、後方から声をかけられたので振向いた。目が合った瞬間からやたら高圧的な態度で2人の男が迫ってくる。俗にいう「ショクヒツ」だった。

本当についてない、最悪だぁ…。心でつぶやいていたつもりだったが、どうやら声にしていたらしく、それを聞いた奴らは、職権の拡大解釈に始まり、ついには弱りきったボクを強引に詰め所に引張りこみやがった。

そして開口一番、「本職さんやな」と、ボクを反社会勢力に属する者と、根拠も無く決め付けたあげく、血の滲んだジーンズをみるなり、今度は殺人犯扱い。

「見た目と雰囲気」いわゆる「風体」だけで奴等はボクを決め付けた。そして、妄言と人権侵害といっても過言ではない言い様。罵倒・恫喝・誘導尋問…違法な取調べのオンパレード。

それから…

不毛で屈辱的で全く持って無駄な時間を過ごすこと幾時間。

ボクは開放された。「チッ!」と舌打されながら、開放された。ドアを開け、満身創痍なボク、早く出て行けと言わんばかりに、後ろから押しやがる、奴等。

結論 奴等≒893 である。

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今回は腐った組織の成れの果てを身もって体験した貴重な一日だった。